平成相場を振り返る
いよいよ平成が終わり、令和が始まります。平成という時代の株価を振り返ってみます
平成期の日経平均株価
平成における日経平均株価の推移です
https://nikkeiyosoku.com/chart/より
平成における日経平均の最高値はまさにバブルだった1989年12月29日の38,915円。最安値はリーマン・ショック後の2009年3月10日の7,054円でした
失われた10年、20年と言われ、ITバブルの崩壊後の2003年とリーマンショック後の2009年とそれぞれの世界経済自体が冷え込んだ時期に7,000円台を記録し、2013年以降のアベノミクス相場でようやく回復しつつも、それを含めても16,000~24,000円のボックス相場が多かったのが平成という時代でした
株価においては世界的にも過去類を見ないバブルだった影響は根深かった事を物語っています。またその特殊な要因もあって平成としては26%下落となりました
平成期の日経平均とS&P500と比較
一方、世界経済の中心である米国はどうだったでしょうか
S&P500と日経平均を比較してみます
S&P500と日経平均と比較チャート(1989年~2019年)
青:S&P500
赤:日経平均225
yahoo finance usより
比較開始時期がバブル崩壊時期と重なるという事もあり差が際立っています。日経平均チャートが平坦にな見えるほど米国市場は上昇しており、日経平均は-20%以上に沈む中、S&P500は889%、実に8.9倍にもなっています
とくにリーマンショック後の10年の伸びは顕著で、2008年~2019年だけでも3倍になっています
ではこの米国市場がバブルかと言うとやや割高な感は否定できないものの、かつての日本のバブルを比較するとまだ許容しうる範囲です
割安、割高を測る指標のひとつであるCAPE(シラーPER)を見ると、2019年4月現在S&P500は31程度と一般的には割高と言われる25を超えています
それでもCAPE30~70(下図グラフの赤丸)を記録していた日本のバブル期の比較するとまだましで、いかに日本のバブルが超割高だったかと言う事です
CAPEとリターン関係グラフ
StarCapital AG:CAPE: Predicting Stock Market Returnsより
平成後半だけで日経平均とS&P500と比較
平成全期間だけだと日本の異常とも言えたバブル期スタートの為、差が大きく表現され、平成期間の日本の株価が全くダメだったかと言うとそうでもありません。
平成後半の15年、2004年からを見るとS&P500に劣るものの日経平均も健闘しています </p
S&P500と日経平均と比較チャート(2004年~2019年)
青:S&P500
赤:日経平均225
S&P500の149%上昇に対して日経平均も95%上昇です。確かにS&P500には劣りこそはしますが、15年間で2倍にはなっているのです。
特にアベノミクス相場の好調さもあり2013年以降の上昇率はほぼS&P500と変わりません。
また先ほどの指標CAPEは割高である米国と比較して2019年4月現在の日本株価は23.5と決して割高では無いので一段の上昇を期待できます
ただし、その腰を折る可能性が高いのが消費増税による消費の冷え込みです
世界経済が好調な間はグローバル企業が世界のどこかで収益を上げるわけですが海外生産分はGDPに含まれず、そもそもGDPの50%以上は個人消費が占めています
そういう意味では内需の先行きはやはり不安ですね
平成相場まとめ
- 平成における日経平均は-26%
- 平成におけるS&P500は+889%
- 平成後半の日経平均は+95%
失われた10年、20年と言われた就職氷河期などまさに暗黒の時代でした。それでも2000年頃のITバブルは株価こそ米国も含めバブルでしたが、生き残ったIT企業の発展により確実に時代は変わりました。しかしそれも米国のGAFAなどの企業ですね
平成全体で見ると日経平均の成績はマイナスと寂しいものです
特にその間に米国S&P500が9倍近くにもなっているとなると猶更です。それでもアベノミクス相場の恩恵もありここ数年だけをみれば引けをとりません
しかし今後、米国や中国、世界経済自体のリセッションも懸念され、またオリンピック特需も終わる来年2020年以降も、同様に株価が上昇し続けるかとどうかと言うと懐疑的です
先述したように消費税増税による内需の落ち込みが懸念されます
その消費税が初めて導入されたのが1989年4月。まさに平成元年でした
そして消費税が10%になる令和元年が平成前半のような失われた時代にならない事を願います
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