米国株指標S&P500の今後のEPS見通し
ボラティリティの高かった2018年の米国株式市場。
特に後半10月から大きく急落し高値から20%ほど下落し、代表的な米国株価指数であるS&P500は年初来ー7%とリーマンショックの2008年以来の年間マイナスリターンとなりました
米中貿易戦争の不透明感やFRB:連邦準備制度理事会による利上げ動向、膨れ上がる個人債務。長短金利のフラット化などリセッション(景気後退)が警戒されます。
そんな中、2019年以降は米国市場はどのような展開が予想されるでしょうか? 株価の源泉であるEPSを元にみてみます
Earnings Per Shareの略称で和訳は1株当たり利益。一株に対して最終的な当期利益(当期純利益)がいくらあるかを表す。
当期利益を発行株式数で割ったもの。
野村證券 | EPS(証券用語解説集)より野村證券
S&P500のEPSの推移
1800年代後半からの100年以上に渡るEPSの推移です
http://www.multpl.comより引用しレンジを加筆
基本的にレンジの範囲内で右肩上がり。つまり企業収益は成長していっています
一株あたりの収益なので株式が多く発行されれば希釈化されますが、時価総額として増えていっている事実には変わりありません
その中で1910年代の後半の世界大恐慌およびリーマンショック時の2回はレンジを大きく外れ下振れています
リーマンショックが100年に一度の金融危機と言われたのも頷けます
2018年は過去最高の更新し130ドルを記録しました
しかしながら株価はシラーPER:CAPEで30倍超えなど他の指標では割高感もあった為、10月以降に急落しています。
レンジの上限付近にいる事も見て取れますね
それでも長期にわたり右肩上がりの米国株式市場への投資はやはり有効な資産形成の手段のひとつと言っても間違いではないでしょう
では今後の見通しはどうでしょうか?
S&P500EPS今後の見通し
2018年11月時点でのゴールドマンサックスによる今後の予想です
先ほどの数字とは異なるので整合が必要ですが、まだまだ伸びるという予想が示されています
EPS成長率にあらわすと以下のグラフのようになります
Bloobergより
2019年、2020年も企業収益の伸びはが予想されています
しかしながら2017年、2018年と比較すると鈍化しておりリセッション懸念も相まって株価の大幅な上昇は期待できないかもしれません
それどころか、このような予想を裏切り収益の悪化、株式の下落という可能性もゼロではありません
EPSの伸びがマイナス1%だった2015年、1%に留まった2016年は株価も横ばいでした。
それらの2年よりは成長率は高く、また同じくらいの成長率だった2012年、2013年のように株価も伸びているので、杞憂に終わればよいのですが
S&P500EPSの見通しまとめ
- 10%代だった2017年、2018年と比較して成長率は鈍化の見通し
- 2019年:予想EPS成長率6%
- 2020年:予想EPS成長率4%
好調だった2017年、2018年と比較してEPS成長率は鈍化するもののプラス成長はキープできる見通しが示されています。
2018年はEPS成長率が高かったものの、S&P500は10年ぶりのマイナスリターンとなりました。好調だった2017年に先取りし過ぎたのかもしれません
株価は往々にして行き過ぎるものですし、その反動だったと言えるでしょう
それでも2018年に2月と10月~12月に大きく調整した事により、相場の過熱感はやや収まったかもしれません
依然として指標は決して割安というわけではありませんが、今後も企業収益が成長継続するようなら株価の上昇も期待できそうです
一方でやはりリセッションの懸念も常につきまといますます
個人的には2019年~2020年、またはそれ以降に大きく下落する可能性も考慮にいれ、現金はある程度温存しつつ、目先の株価変動に捉われることなく自身の投資方針に基づいた計画通りの投資を淡々と実行していきたいところです
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