米国ETF比較シリーズです
何度も記事で紹介してきていますが1957~2003年で過去最もリターンの高かったセクター上位4種は以下の通りです
- ヘルスケア 14.19%
- 生活必需品 13.36%
- 情報技術 11.39%
- エネルギー 11.32%
- 一般消費財・サービス 10.85%
これまで上位3種を比較してきましたが、S&P500を上回るセクターETFの4番目としてエネルギーセクターをみていきたいと思います。例によって上位セクター1位のVHT:ヘルスケアーセクターETFとパフォーマンス比較してみます
VDE:エネルギーセクターETF
産業革命以降、石油などのエネルギーなしでは世界経済の成長はなかったでしょう。そういったエネルギー関連銘柄で構成されるセクターETFがVDE:エネルギーセクターETFです。
重厚長大産業でありながら太陽光発電などに代表される再生可能エネルギー、シェールオイル革命など技術革新の波も激しい産業セクターといえます
米国は資源国でもありいわゆる石油メジャー企業も抱えエネルギー分野においても世界を牽引する立場にあります
ベンチマーク
「 MSCI USインベスタブル・マーケット・エネルギー25/50インデックス」がベンチマークになっています
経費率
バンガード社のセクターETFは経費率0.10%となっています
組み入れ上位銘柄
高配当銘柄として米国投資家に人気のエクソン:XOMとシェブロン:CVXで36%を占めますまのでこの2社の影響を大きく受けます。そのほか当たり前ですが石油、ガス関連企業が名を連ねます。3位のシュルンベルジェ:SLBは、一般にはなじみ薄いですが油田探査および各種油田探査用計測機器の開発・製造をを行う多国籍企業です
VDE vs VHT比較
PF2:VHT バンガード・ヘルスケアセクターETF
バンガード500インデックス
VDEvs VHT 2005~2018年比較
2005年からの比較チャートです
配当再投資の場合
VDE:エネルギーセクターETFはかなりボラティリティの高い動きをしています。2005年起点で見ると2015年まではリーマンショック時には大きく下落しながらもVHT:ヘルスケアセクターETFを上回るパフォーマンスでしたが、以降株価が低迷し2015年にはS&P500を下回る結果となっています
リーマンショック直後からの比較
リーマンショック後からの回復も鈍く2014年以降VHTの上昇に遅れるどころか完全に低迷したままです。リーマンショック以降は上昇率の差こそあれ各セクター右肩上がりだったのとは対照的です。これには原因があります。原油価格です
原油価格の影響
WTI原油先物チャートです
FX | 株式市場 | ファイナンス | 金融ニュース – Investing.com 日本チャートより
先ほどの2015年のチャート比較するとVDEとWTI原油価格はほぼ同じ動きなのが分かります。原油価格は産油国などの影響やその産油国の場所柄、地政学的な問題もあり動向が全く読めません。それに追従した動きとなると投資するのは少し難しいかもしれません
配当金
配当金自体はやはり高配当銘柄も含むVDE:エネルギーセクターETFが上回ります。配当狙いでは悪くありませんが、ここ近年のパフォーマンスからは選好は躊躇されます
まとめ
- VDEは原油価格の影響を大きく受ける
- 2015年以降の原油価格の下落によりVDEはS&P500を下回るパフォーマンス
- VDEの分配金は魅力的
- 金利が上がりきってからの景気後退局面での選好は妙味ありか
シーゲル教授による2003年までの調査では上位セクターであり、いわゆるシーゲル銘柄の代表格を含むETFですが上記の理由により個人的には現時点では見送りです。
ただしいずれセクター循環によってエネルギーセクターの季節がやってくる可能性がありひょっとしたらリセッションに向けて仕込み時なのかもしれません
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